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年間150冊の本を読む読書好きのブログ

ゼロ円ビジネスの罠

【タイトル】
📕ゼロ円ビジネスの罠

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【著者】
門倉貴史

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【キッカケ/学び】
📚脳科学中野信子さんの作品を読んでいて中野さんつながりで同じ番組「ホンマでっかTV」に出演している先生方の作品も読んでみたくなり、経済に興味があったことから、門倉さんの作品より読んでみた。


番組では頼りない感じで、いじられる場面もあるが、エコノミストとしての知見のある人なんだと、見方が変わった。

 

きっと他の先生方も、番組では面白くいじられたりしているけれど、きっとそれぞれの分野ではかなりすごい人達なんだろうな。

 

この本は、0円ビジネスのメリットデメリト、罠について学べます。


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【内容】
📖本来は有料であるはずの商品やサービスも無料で提供するビジネス「ゼロ円ビジネス」。
最終の目的である利益は同じだが戦略はさまざま。

投資回収が見やすく成果につながりやすい広告として、無料で認知を得てよりよい有料サービスへの呼び水としての役割、サービスを無料にして広告費を得る方法、人間の心理をついた商法、さまざまな詐欺商法など。

よく見かけるものだけど、どのよう利益構造なのかは考えていなかった。
そんなゼロ円ビジネスについて教えてくれている。


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【感想】
📝門倉さんのイメージが変わった。さすがエコノミスト
本の内容も分わりやすくて読みやすい。
世間で、この0円での提供はよく目にする。
0円で誘い込んでまずは集客、有料での付加価値への誘導、あからさまに目的が見えているものもあり、皆、無料の範囲で止めるのでは?と思っていたけど、結果はそうでもないようだ。
人間の心理的なこともあり、意外に収益につながるものだとわかった。
財布のヒモが固く、無料の範囲だけと割り切った人には、0円ビジネスはありがたいが、上手く誘導されてしまう人には誘惑の罠があちこちに仕掛けられているようだ。
スマホのゲームアプリでの課金などは大人から子供までターゲットも広く、依存性も高いだけに0円ビジネスには最適なのだろうな。

経済の法則なども勉強になり面白い内容だった。
門倉さんの別の作品も読んでみよう。

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【学び/印象的な言葉】

💡局所的に、あるいは一時的に無料であることが、「ゼロ円ビジネス」が成功するための必要条件となっているのであり、「ゼロ円ビジネス」は多数の追随者が出てきた時点で、ビジネスモデルとしては成り立たなくなるという宿命を背負っているのだ。

 

💡広告依存型の「ゼロ円ビジネス」
消費者に無料で提供する商品やサービスに企業の広告をつけて、企業から広告メディア料を徴収するというビジネスモデルである。

景気変動の影響を受けやすいという弱点がある。

 

💡「フリーミアム」というのは、無料を意味する「フリー( Free)」と有料の高額商品・サービスを意味する「プレミアム( Premium)」を掛け合わせた造語である。

 

💡「ゼロ円ビジネス」でコストを浮かせてしまうという斬新なビジネスモデルも登場している。

 

💡 無料が利益につながる背景には、消費者行動に、心理学でいうところの「返報性の原理」が働くということがある。

 

💡背景には、消費者の心理に行動経済学でいうところの「保有効果」(「授かり効果」とも呼ばれる)が働いていることがある。「保有効果」というのは、自分が持っていないものよりも自分が持っているものを高く評価してしまう心理的なバイアス(偏向)のことを指す。

このような「保有効果」と「ゼロ円ビジネス」を結びつけると、無料のキャンペーン期間中に試供品を受け取った消費者には、「せっかく受け取ったのだから、手放したくない」という気持ちが強く働き、無料キャンペーンが終了すると、そのまま有料で購入するようになると考えられる。


💡無料は100%の確率でリスクがないと言えるが、1円の支払いは非常にわずかながらもリスクがある。だから、無料と1円の支払いの心理的な評価はまったく異なる。人間はとにかく物事が確実になることを望む傾向があるのだ。こうした現象は行動経済学で「確実性効果」と呼ばれる。

 

💡「アンカリング効果」とは、最初に目にしたり、あるいは印象に残ったりした事象がその後の判断に少なからず影響を及ぼすことを指す。

 

💡「バンドワゴン効果」とは、ある商品やサービスが多くの人に支持されているという事実だけで、人はその商品・サービスを受け入れやすくなる傾向のことだ。

 

💡 消費者が是非とも念頭に入れておかなければならないのは、利潤を追求する企業が展開する「ゼロ円ビジネス」の裏側には、必ず企業が儲かる仕組みがどこかに隠されているという点である。

 

💡リーマンショック以降、日本経済はデフレ(持続的な物価の下落)傾向が鮮明になっているが、「ゼロ円ビジネス」が出てきたからといってデフレが加速して、デフレスパイラルに陥るとは限らない。また、「ゼロ円ビジネス」が需要を増加させる起爆剤となって、物価を押し上げ、デフレ脱却をサポートするとも限らないのである。

 

💡「収穫逓増の法則」とは、労働力などの生産要素をどんどん投入していくと、時間を経るにしたがって生産量の増え方が多くなるような現象を指す。

 

💡「限界費用」とは、商品・サービスの生産を1単位増やしたときに追加的にかかるコストのことを指す。産出量の増加にしたがって限界費用が低下していくことを、経済学の世界では「限界費用逓減の法則」という。

 

💡「収穫逓増の法則」は「限界費用逓減
の法則」と表裏一体の関係にある。 生産を増やせば増やすほど、割安に製品をつくれるといっても、その一方で、需要が同時に増えてこなければ、 「収穫逓増の法則」は働かない。

 

💡「収穫逓減の法則」とは、労働力など
の生産要素をどんどん投入していくと、時間を経るにしたがって、生産量の増え方が少なくなるような現象を指す。

 

💡「収穫逓減の法則」が働く産業では、 「限界費用(製品1単位を追加的に生産するための費用)」は長期的に上昇傾向を
たどることになる。

 

💡「収穫逓増の法則」が働く世界では、生産を増やすにしたがって限界費用が下がっていくので、たとえ最初に製品価格を無料(ゼロ円)にしても、市場に「ロックイン」してシェアを確保することに成功すれば、やがて有料製品の売り上げによって当初のコストを回収することができる。しかし「収穫逓減の法則」が働く資源集約型産業では、生産を増やすにしたがって限界費用が上がっていくので、たとえ最初に製品価格をゼロ円にしてシェアの確保に成功したとしても、長期で当初のコストを回収することは難しくなってしまう。

 

 

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【実践】
🏃無料提供されるサービスの奥に何があるか理解したうえでサービスを受けるか判断する。

🏃「返報性の原理」「保有効果」「アンカリング効果」心理効果が働くことを理解し客観的に判断する。

🏃「収穫逓増の法則」「収穫逓減の法則」「限界費用逓減の法則」新しく聞く言葉。
とても興味深い。もう少し学んでみる。